筑前黒田武士の江戸日記

~奇数月の第1土曜日に更新~

vol.03 旧黒田藩蔵屋敷長屋門

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【所在地】 大阪府王寺町茶臼山町天王寺公園内(移築)

文化財指定】 大阪府有形文化財

【関連サイト】 http://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000009770.html

 

 福岡藩の大坂蔵屋敷長屋門は、天王寺公園に移築されて現存している。公園の外からも見られるが、写真撮影には柵がじゃまになるので、150円の入園料を払って園内から見学。取り払われてしまったのか門扉がないが、海鼠壁の長屋門は蔵のような独特な造りで、蔵屋敷の門であることに納得感がある。

 他に当時の面影を残すものはないが、地下鉄で2駅先の淀屋橋には、幕末の藩主黒田長溥と親交があった緒方洪庵適塾が残っている。塾生だった福沢諭吉によれば、「黒田の殿様が江戸出府あるいは帰国のときに、大坂を通行する時分には、先生はきっと中ノ島の筑前屋敷に伺候してごきげんを伺うという常例であった」とのこと(『福翁自伝』)。蔵屋敷があった時代に思いを馳せてみるならば、こちらも併せて見学していくのがよいと思う。

 大阪商業大学商業史博物館が同館所蔵の諸藩蔵屋敷関係史料を翻刻しているが(『蔵屋敷』全3巻)、このなかに大坂詰の福岡藩勘定奉行大岡克俊が書き残した「浪速詰方日記」があって(第3巻)、なかなか興味深い。解説(第2巻)では福岡藩についての記述もあり、はるばる福岡から出張してきた蔵屋敷役人の仕事ぶりを想像してみる一助になりそうだ。

(2013年1月訪問) 

 

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来園者には、門の裏側を見せるレイアウトに。もともとは公園の入口として使われていたのかもしれない。

 

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緒方洪庵適塾(国指定重要文化財)。中之島福岡藩蔵屋敷にも近い。