筑前黒田武士の江戸日記

~奇数月の第1土曜日に更新~

vol.05 京都御所 中立売門

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【所在地】京都府京都市上京区京都御苑

【関連サイト】http://www.env.go.jp/garden/kyotogyoen/index.html

 

  先日のNHK大河ドラマ「八重の桜」は「蛤御門の戦い」だったが、この戦いでは家老小川讃岐以下の福岡藩兵が御所中立売門(上部写真)の守衛にあたっている。激戦となった蛤門の隣りに位置するが、ここにも家老国司信濃率いる長州勢が攻め込んでいた。

 「従二位黒田長溥公伝」(『新訂黒田家譜』第6巻所収)には「厳しく制して持ち場を死守し、痛くその動揺を制しつつありたり」などとあるが、実際には「(国司信濃の隊は筑前藩の守衛している中立売門を突破して蛤門内に突入」(『維新史』)という状況を許してしまったのが実情のようだ。ちなみに『維新史』は、福岡藩出身の金子堅太郎が総裁を務めた旧文部省維新史料編纂会の成果物である。

 維新史料編纂会の首席編纂官として、『維新史』の編纂にも携わった藤井甚太郎による史談会での談話が参考になる(「蛤御門の戦の際に於ける福岡藩の態度」/『史談会速記録』第165輯)。藤井の父は福岡藩士で御所守衛に加わっており、藤井が母に当時のことを尋ねたところ、「それは会津と長州の戦ではないか」と返されたという。まさにそれが福岡藩のスタンスだったのかもしれない。

 (2013年1月訪問)

 

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中立売門を抜けると、はす向かいに宜秋門。かつての帝のお住まいは、もう目の前だ。

  

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福岡藩中立売藩邸跡。中立売門から中立売通りを進んで堀川の手前なので、場所はわかりやすいが、当時の面影は何もない。