筑前黒田武士の江戸日記

~隔月で第1土曜日に更新~

vol.08 神田神保町の古書店街

 神田神保町古書店で『吉田家伝録』全3巻を購入。福岡藩家老吉田家の記録史料だ。しめて2万8千円。先週放送された「出没!アド街ック天国」(テレビ東京)で「世界一の古書店街」と紹介された神田神保町では、福岡藩関係の古書を見つける機会も多い。「アド街」でも紹介された大屋書房さんには、以前から福岡藩江戸屋敷の泥絵が売られている。黒い冠木門とそれに続く海鼠壁の長屋、富士山を背にした雄大な屋敷構えは、福岡市博物館所蔵の「霞ヶ関登城図」と似たような図柄。落款も同じく「司馬口雲」。折り目がついてしまっているのが気になるが、それでもお値段は88万円。さすがは西国の雄藩とも言えようか。

 インターネットで在庫を検索できるものもあり、キーワードを入力すると神保町に存在する関連古書を見つけることができる(http://jimbou.info/)。黒田家の筑前入封当初の居城である「名嶋城」で検索したら、東城書店さんで「(筑前)名嶋城図」がヒット。お値段18万9千円。どんなものなのか興味がわくが、残念ながら土日休業なので現物は未確認である。少し前には、福岡城の御殿を写した古写真を見つけたこともある(薄くて殆どよく見えなかったが)。根気よく探していけば福岡藩関係のお宝も埋もれているかもしれない。神田神保町、魅力的な街である。