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筑前黒田武士の江戸日記

~毎月第1土曜日更新~

vol.44 三匹、筑前に現る

 新聞のテレビ欄に昔懐かしい「三匹が斬る!」(再放送)。高橋英樹役所広司春風亭小朝が演じる浪人3人が、諸国を旅しながら悪党を退治する時代劇だ。続々編の初回スペシャル版ということで、早めに帰宅して見てみたのだが、舞台は思いもかけず福岡藩福岡城の潮見櫓が映し出され、なんと黒田斉清まで出てきて、思わず気分が昂った。少年時代によく見ていたが、これは見逃していたようだ。

 竹脇無我演じる斉清が、家老(大河内なる架空の人物)にそそのかされて、九州を自由平等な独立国にしようと画策する驚きのストーリー。斉清の養子として登場した「菊丸」なる若君は、「実父の島津重豪は上様の義父である」と言っており、明らかに黒田長溥をイメージしている(実際の幼名は桃次郎だが)。入れ知恵の家老は裏で幕閣と結託、独立計画を「謀反」として露見させ、黒田52万石を取り潰す策謀だったが、からくりを暴いた三匹が見事成敗。藩主親子の命も救い、めでたし、めでたし。福岡藩の日本離脱騒動は一件落着であった(奇しくもこの日、イギリスはEU離脱が確定)。

 ユーモアがあって人情味もあって、結構好きな時代劇だったが、番組の冒頭では「1990年に放送」のテロップ。もう26年も前ということだ。ブラウン管時代だから画面はやや狭い。竹脇無我さんも何年か前に亡くなられた。時の移ろいを実感するような、そんな思いがした。

 

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「三匹」では筑前の測量に来ていた伊能忠敬も出ていた(史実としては長溥養子入りの4年前に死去)。余談ながら、ついこの前、千葉県佐原市の旧宅(当地の名主)を見てきたばかり。展示されていた地図の正確さには改めて脱帽。