筑前黒田武士の江戸日記

~隔月で第1土曜日に更新~

vol.46 豊州紀行

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 夏休み、豊前・豊後の史跡を散策してきた。成田から大分までジェットスターで1時間45分。空港近くの国東市サイクリングターミナルで自転車を借りて、5キロほど離れた富来城跡まで、海沿いの自転車専用道でサイクリングを楽しみ、国東にて1泊。翌日は、杵築、中津、行橋へ。黒田家の豊前最初の居城馬ヶ岳城(後に黒田二十四騎の小河信章が城代) があった行橋では、行橋市歴史資料館の特別展「後藤又兵衛の出奔と細川忠興」を見学し、北九州から2泊3日の船旅で東京帰着。夏らしい天気にも恵まれ、なかなか良い旅であった。

(2016年8月訪問)

 

f:id:kan-emon1575:20160821115202j:plain国東半島の海沿いに続くサイクリングロードは、車も歩行者も信号もなく快適。かつて富来浦近くでは、大坂を脱した島津義弘夫人一行の薩摩船と黒田水軍との間で激しい戦闘があったというが、平穏な海には想像も浮かばない。

 

f:id:kan-emon1575:20160821122444j:plain垣見一直の居城だった富来城跡(大分県国東市)には、城に攻め込む黒田如水などを描いたイラスト。大河ドラマ軍師官兵衛」もあってか、官兵衛合戦の地として盛り上げようという地元の気運が感じられる。

 

f:id:kan-emon1575:20160822151727j:plain中津の合元寺。通称、赤壁寺。黒田家に謀殺された宇都宮鎮房の家臣は、この寺に留め置かれていたところを悉く討ち取られた。寺の壁は何度塗り替えても血痕が浮かび、赤く塗り替えたとか。

 

f:id:kan-emon1575:20160823174757j:plainLCCにはかなわないが、新幹線より安いオーシャン東九フェリー。洋上に広がるパノラマは、時刻によって夏空の様々な見映えが楽しめる。九州より海路を往く黒田の御参勤に想いを馳せるもよし。