筑前黒田武士の江戸日記

~隔月で第1土曜日に更新~

vol.57 朝倉の黒田武士

 九州豪雨から1ヶ月。大きな被害を受けた朝倉市は、かつての秋月藩領、三奈木黒田家領であり、黒田武士ゆかりの地。秋月の武家屋敷や、三奈木黒田家の庭園の状況は気になるところであるが、比良松の遠戚も被災しており、まずは困難に直面されている方たちの生活が1日も早く元に戻ることを祈りたい。

 三奈木黒田家の庭園は、福岡藩の筆頭家老であった同家の別邸跡に残るもので、朝倉市の指定名勝である。亡き祖父から三奈木の黒田屋敷を訪ねた話を聞いた記憶があるのだが、当時は建物も残っていたのだろうか。曾祖父の従兄の夫人が三奈木黒田家の人で、祖母の家には「三奈木黒田」と書き添えてある幼い女の子の古写真や、家族と思しき古写真も残っているので、明治の頃には我が家ともお付き合いがあったのかもしれない。

 当時のことは調べてみたいと思っているが、その名残とも言えそうな庭園はまだ見に行ったことがない。秋月郷土館をリニューアルさせた朝倉市秋月博物館が秋にオープン予定であり、そのタイミングで三奈木も訪ねてみる旅行を計画中だ。三連水車も地元の方たちのご努力で再稼働したと聞く。朝倉の魅力を堪能する旅を、今から楽しみにしている。