筑前黒田武士の江戸日記

~隔月で第1土曜日に更新~

vol.73 霞が関の江戸屋敷

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 昨年、江戸東京博物館の特別展「サムライー天下泰平を支えた人びとー」を見に行ってきたのだが、入り口近くに案内標識のごとく立てられた大きな古写真を目にして、思わず歓喜。なんと霞が関福岡藩江戸屋敷だ(上部写真)。歴史本などでもよく見る一枚だが、これだけ大きく引き伸ばされると、非常にリアリティがある。そういえば昨年、日本カメラ博物館の「秘蔵古写真」シリーズは『幕末』に続く『江戸』が刊行され、こちらにも我らが江戸屋敷の写真が掲載されていたが、江戸の切絵図を読み違えたか、「美濃松平屋敷」と誤ったキャプション。正しくは松平美濃(守)、すなわち黒田長溥公の江戸屋敷である。

 特別展は「日本をイメージするキーワードとして国内外を問わず多く用いられる〝サムライ〟」をテーマに、暮らしや仕事のありさまから、その実像にせまるといった趣旨で、なかなか興味深く、見応えがあった。大名屋敷の絵や古写真の展示では、福岡藩江戸屋敷の表玄関のほかに、その周囲を囲んだ海鼠壁の長屋や、秋月藩江戸屋敷長屋などの写真も見ることができた。剣術や学問など、サムライに求められる素養について紹介するコーナーもあったが、その理念や哲学は、現代にも相通じるものがありそうな気もする。少年時代の剣道を再開して、昨年は二段に昇段。今年は剣術の歴史的背景などでも知識を深めて、また一歩「サムライ」に近づいてみようか。江戸博を振り返りながら、そんなことを考えてみた、今年のお正月休みであった。  

 

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さすがは五十二万石。なかなか迫力ある建物だ。屋根の鬼瓦は、東京国立博物館に現存し、展示されている。

 

f:id:kan-emon1575:20191205150417j:plainところ変わって、日比谷図書文化館にあるミュージアムでは、常設展示室の外壁を『徳川盛世録』の挿絵が飾っている。 

 

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江戸城に向けて霞が関を行く紀州公の行列が描かれているが、こちらにも福岡藩江戸屋敷(左手)。

 

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黒塗りの冠木門は、お隣り広島藩江戸屋敷の赤門と比べると、やや簡素に見えるが、規模はなかなかのものではなかろうか。