筑前黒田武士の江戸日記

~隔月で第1土曜日に更新~

2022-01-01から1年間の記事一覧

vol.90 最後の仇討

テレビでもよくやっているような「ぶらり散歩」よろしく、都内唯一の路面電車である都電荒川線で荒川方面へ。住宅地のようなところを走っていると、ひときわ目立つ立派な建物が見えてきた。何だろうかとスマホで調べてみると、吉村昭記念文学館。吉村昭さん…

vol.89 会津藩老 萱野権兵衛

十数年ぶりに会津若松へ行ってきた。コロナ第7波の急拡大はやはり気になったので、目的を絞って日帰りで短時間。観光スポットである会津武家屋敷で西郷頼母の屋敷などの見学に留めたが、帰り際には鶴ヶ城の雄姿も拝むことができた。少年時代に見た日テレの…

vol.88 無足頭

無足とは何ぞや。ふと思って調べてみると、「武士でありながら、領地を与えられていないこと、知行地を持たないこと」を意味するらしい。なるほど、それで知行取ではない福岡藩の無足組はそういうネーミングなのかと、今さらではあるが妙に腑に落ちた。歴史…

vol.87 桜田と一橋

図書館に並ぶ本の中に、「一橋徳川家文書」というサブタイトルが目についた。この『茨城県立歴史館史料叢書』の一冊を見て、一橋から黒田に養子入りした殿様が頭に浮かんだのだが、本を開いてみるとビンゴ。一橋徳川家初代当主徳川宗尹の記録史料である「覚…

vol.86 因州鳥取

緊急事態宣言が解除された昨年の秋、山陰を旅行して初めて鳥取を訪れた。鳥取藩因州池田家32万石の城下町。過去のブログ(vol.70 備前岡山)でも触れた岡山藩備前池田家は池田輝政の長男筋で(武鑑にも「嫡流」とある)、因州池田は言わば分家筋となるが、家…

vol.85 青春はつづく

大河ドラマ「青天を衝け」がついに完結。なかなか良いドラマだった。ブログでも取り上げた『徳川慶喜公伝』や昔夢会の話も出てきて、キャスティングこそなかったものの、慶喜や栄一たちの脇で藤井甚太郎らの編纂員と思しき姿も再現されていて感慨深かった。…