筑前黒田武士の江戸日記

~隔月で第1土曜日に更新~

2016-01-01から1年間の記事一覧

vol.49 平尾山荘

【所在地】福岡市中央区平尾5-2-28 【関連サイト】 http://bunkazai.city.fukuoka.lg.jp/cultural_properties/detail/item_id:101547 https://dayori.city.fukuoka.lg.jp/43160 久しぶりに福岡へ。今年は野村望東尼の150年忌にあたる年。まず望東尼が晩年…

vol.48 中老

仕事帰りの電車の中で、隣の人が読んでいる小説が何気なく視界に入ったのだが、「福岡藩」「中老」という記述に思わず目を見張った。福岡藩の中老と言えば、6千人規模の黒田家臣団のなかで大老に次ぐ最上層の家格。表紙が見えないので、本の題名がわからな…

vol.47 飯尾甚太夫

前回の豊州紀行の折り、富来城跡近くの「富来茶屋」というお店で昼食をとった。古民家の風情あるお座敷でいただいた定食は、お手頃な価格ながら多彩な盛り付けで、なかなか美味しい。テーブルには郷土史を紹介する手書きの資料が置いてあったが、その中に、…

vol.46 豊州紀行

夏休み、豊前・豊後の史跡を散策してきた。成田から大分までジェットスターで1時間45分。空港近くの国東市サイクリングターミナルで自転車を借りて、5キロほど離れた富来城跡まで、海沿いの自転車専用道でサイクリングを楽しみ、国東にて1泊。翌日は、杵…

vol.45 飯田丸

熊本地震から3ヵ月。被災した熊本城の飯田丸五階櫓で、先日ようやく補強工事が開始された。崩れず残った1本の石垣に支えられるその姿は、いささか痛ましい。大天守・小天守の周りで、宇土櫓とともに天守規模の櫓がそびえる様は、熊本城ならではの見応えあ…

vol.44 三匹、筑前に現る

新聞のテレビ欄に昔懐かしい「三匹が斬る!」(再放送)。高橋英樹、役所広司、春風亭小朝が演じる浪人3人が、諸国を旅しながら悪党を退治する時代劇だ。続々編の初回スペシャル版ということで、早めに帰宅して見てみたのだが、舞台は思いもかけず福岡藩。…

vol.43 殿、利息でござる

映画「殿、利息でござる!」を見てきた。コメディ路線かと思いきや、意外に真面目なヒューマンドラマだ。重税を課す藩に対し、有志が一致団結して金を出し合い、藩に貸し付けて利息で取り返し、領民に分配するという実話に基づくストーリー。消費増税は延期…

vol.42 栗山大膳

先週の日経新聞「文学周遊」(土曜夕刊に連載)は、森鴎外の短編小説「栗山大膳」。主君黒田忠之を諌めるために幕府に訴えるという究極の手段に出た栗山大膳について、「時に苦言を呈しながらも、善政に導く理想的な部下を描いているように思える」としたう…

vol.41 真田丸

大河ドラマで脚光を浴びている真田家。黒田家と何かご縁はあろうかと、『黒田家譜』の索引で「真田」を探してみると、文化5年(1808)の記述に興味を引く名前を見つけた。朝鮮通信使の応接のため対馬に派遣された幕臣の記載のなかに、「寺社奉行支配調役 真…

vol.40 町奉行

休みの日の夕方、ふとテレビをつけると風間杜夫主演「銭形平次」の再放送。これは懐かしい。少年時代に見ていた時代劇のひとつで、主題歌も気に入っていた。最近ではすっかり減ってしまったが、人情味あふれる時代劇はいいなと改めて思いながら、見ていた頃…

vol.39 太政官札贋造事件

日本銀行の広報誌『にちぎん』(No.44 2015年冬号)に、太政官札贋造事件の記述を見つけた。「お金の源―素材の歴史と作り方」と題したコーナーで少し触れられている程度ではあるが、意外なところに福岡藩の名を見つけると、何か嬉しくなる。 福岡藩が廃藩に…

vol.38 蹴鞠

今年はアビスパ福岡が5年ぶりにJ1リーグに復帰する。福岡のチームで親しみはあり、博多の森に試合を観に行ったこともある。昨年のJ2リーグ最終節、プレーオフ決勝はテレビで観戦。1部リーグ昇格が決まった瞬間は、やはり嬉しい気持ちになった。テレビ中…