筑前黒田武士の江戸日記

~隔月で第1土曜日に更新~

vol.97 全国藩校サミット

 

 昨年11月、東京の文京区で行われた全国藩校サミット文京大会に行ってきた。藩校のあった全国各地で毎年開催地を変え実施されているイベント。8年前には修猷館を擁する我が藩にも出番が回ってきたことがあるが(福岡大会)、今回は江戸幕府の学問所である湯島聖堂に白羽の矢が立てられた。近くに住む自分には地元開催ということになる。

 サミットは昼過ぎに始まって夜6時まで続く長丁場。別の予定があったため、終盤の「文京区ゆかりの旧藩主様によるトークセッション」から参加した。座席はわりと余裕があるように見えるが、会場のホールがかなり大きいので、実際は結構な数の来場者。個人的なサプライズは、黒田家の現在のご当主が登壇されスピーチされたこと。文京区とは、以前にこのブログで取り上げた黒田小学校(vol.76)でご縁があることに気付かされた。今大会会長の徳川宗家ご当主はじめ、お殿様方は庶民的だったりユーモアがあったりで、話もなかなか面白かった。

 遠巻きながらも初めて黒田の殿様のご尊顔を拝したが、ブログで知り合った福岡藩士のご子孫の方とも会場で初めてお会いすることができ、なにか時空を超えた出来事のような不思議な感覚もあった。福岡藩はどんなところだったのか、そこで暮らした先祖の日常はどんなものだったのか、興味はあれど実際に行ってみることはできない。できないが、様々な見聞を通して頭に思い浮かべることはできる。そんなことをよく考えたりするが、ブログが100回目を迎える今年も、いろいろな史料を読み、いろいろなところを訪ねて、一段と見聞を広めてみたいと思う。