筑前黒田武士の江戸日記

~隔月で第1土曜日に更新~

2013-01-01から1年間の記事一覧

vol.13 湯島聖堂

【所在地】東京都文京区湯島1-4-25【関連サイト】http://www.seido.or.jp/ 青く光る大成殿。この幻想的な光景は、千代田区のイベント(「はしまつり」)で期間限定のライトアップが行われたもの。元禄3年(1690)に林大学頭(林鳳岡)の私塾として当地に…

vol.12 一族郎党

福岡藩士だった私の高祖父が「附属分限帳」と題した明治初年の古文書を残している。日経新聞に連載されていた浅田次郎さんの小説「黒書院の六兵衛」には、幕府の書院番の「附属」が登場するのだが、「つけたり」とフリガナが振ってあった。今まで何となく「…

vol.11 福岡城

【所在地】 福岡県福岡市中央区城内【関連サイト】http://fukuokajyo.com/ 福岡城の南丸多聞櫓が期間限定で内部公開されていることを知って、公開最終日に急遽福岡へ行くことにした。嘉永7年(1854)の建替事業に先祖が関わっていたらしく、是非とも見てみ…

vol.10 黒田光之の側近たち

『元禄世間咄風聞集』(岩波文庫)を読んでいたら、「松平肥前守殿御家来知行高」と題する記録が出てきた。松平肥前守は黒田綱政で、黒田三左衛門以下重臣11人の氏名と知行高が書き留められている。「大音与兵衛殿御直に被申上候」と添え書きがあり、大音(…

vol.09 徳島城

先月はじめて徳島を訪れた。蜂須賀氏25万石の城下町。「黒田家譜」によれば、天正12年(1584)、黒田長政は蜂須賀正勝(当時播州龍野城主で徳島転封はその翌年)の娘糸姫を妻に迎えている。慶長5年(1600)に徳川家康の養女栄姫と再婚しており、それまでに…

vol.08 神田神保町の古書店街

神田神保町の古書店で『吉田家伝録』全3巻を購入。福岡藩家老吉田家の記録史料だ。しめて2万8千円。先週放送された「出没!アド街ック天国」(テレビ東京)で「世界一の古書店街」と紹介された神田神保町では、福岡藩関係の古書を見つける機会も多い。「…

vol.07 船橋戊辰戦争遺跡

【所在地】船橋大神宮:千葉県船橋市宮本5-2-1福岡藩戦没者墓地(海神念仏堂):同海神1-17-16 近所の大学図書館に、ようやく『新修福岡市史』資料編・近現代1が入架された。収録されている「維新見聞記」は興味を誘う史料が満載だ。そのなかに記述のあ…

vol.06 中老の矢野家

我が家の先祖には「矢野市太夫徳雄長男」と系図に書かれた養子の当主がいる。『新訂黒田家譜』の附録にある「福岡藩家老年表」には、中老矢野家の歴代当主の中で、元文2年(1737)に矢野幸増の跡を継ぐかたちで矢野徳雄の名があり、同時期の「黒田家譜」に…

vol.05 京都御所 中立売門

【所在地】京都府京都市上京区京都御苑3【関連サイト】http://www.env.go.jp/garden/kyotogyoen/index.html 先日のNHK大河ドラマ「八重の桜」は「蛤御門の戦い」だったが、この戦いでは家老小川讃岐以下の福岡藩兵が御所中立売門(上部写真)の守衛にあたっ…

vol.04 筑前のシンデレラボーイ

『秋月記』読了を機に、秋月藩の記録である「秋城御年譜」(『甘木市史資料』近世編第1集)を読んでみた。今まで見過ごしていた史料だが、本藩である福岡藩関係者の記述も散見され、自分の先祖の名前も出てきて俄然おもしろくなったが、なかでも目に留まっ…

vol.03 旧黒田藩蔵屋敷長屋門

【所在地】 大阪府天王寺町茶臼山町天王寺公園内【文化財指定】 大阪府有形文化財【関連サイト】http://www.city.osaka.lg.jp/kensetsu/page/0000009770.html 福岡藩の大坂蔵屋敷長屋門は、天王寺公園に移築されて現存している。公園の外からも見られるが、…

vol.02 小説のなかの黒田武士

葉室麟さんの小説『秋月記』を読んだ。『蜩ノ記』の直木賞受賞にちなんで書店に設けられた葉室作品コーナーで「秋月」の文字が目にとまり、思わず購入した。「藤沢周平を超え得る」とする巻末解説の絶賛ぶりは、藤沢ファンとしてはやや褒めすぎにも思えるが…