筑前黒田武士の江戸日記

~隔月で第1土曜日に更新~

vol.67 マラソン侍

 平成最後となる今年の箱根駅伝は、東海大が初の総合優勝。それほど興味がある方ではないが、お正月にテレビをつけると毎年やっているので、新年を感じさせてくれる風物詩の感がある。今年は「サムライマラソン」という映画が公開予定。ストーリー自体はフィクションのようだが、上州安中藩で実際にあった藩士のマラソン大会(「安政遠足」)をモデルにしている。このマラソン大会は「安政遠足 侍マラソン」として、現代にも引き継がれているそうだ。

 現代では福岡マラソンが行われている、わが福岡藩でも、マラソン大会などあったのだろうかと興味がわくが、「黒田家譜」には面白い競争の記録があった。マラソンではないが、寛政7年(1795)に行われた船と馬の競争。箱崎から荒戸山の藩主別館まで、海路と陸路のスピードを競ったものだ。海路組は船手頭の磯邊長太夫ほか17名、陸路組は家老の浦上三郎兵衛ほか5名。「同時に箱崎濱を乗出し、たがいに劣らじと急ぎけるが、馬上の方、船より少しはやく着しける」との由。「この日は風少しありて海上穏やかならざりし」とする負けた側のフォローや、「これ一時の戯になし給うにあらず、武事調練のためとぞ聞えし」という念押しも、何かほほえましくもある。

 人生はマラソンに例えられるが、私も折り返し地点に来たように感じる今日この頃である。そろそろ、これまでの見聞を何かかたちにしてみたいとも思っている。我が家の歴史を「家譜」としてまとめてみるもよし、あるいは、それを小説として書き綴ってみるのも面白いかもしれない。休日の楽しみとして、まず着手してみること、これを今年の目標にしよう。

 

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安中藩武家長屋(安中市指定重要文化財

  当時の記録によれば、長屋の住人は安政のマラソン大会に出場。(2013年撮影)