筑前黒田武士の江戸日記

~隔月で第1土曜日に更新~

vol.85 青春はつづく

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 大河ドラマ「青天を衝け」がついに完結。なかなか良いドラマだった。ブログでも取り上げた『徳川慶喜公伝』や昔夢会の話も出てきて、キャスティングこそなかったものの、慶喜や栄一たちの脇で藤井甚太郎らの編纂員と思しき姿も再現されていて感慨深かった。昨年行った飛鳥山渋沢史料館には『徳川慶喜公伝』も展示されていた(添付の写真)。慶喜が原稿に目を通すシーン、最終回で栄一の孫の敬三が完成した本を手に取るシーンが思い出される。最終回は「青春はつづく」だった。年老いても情熱的に生き続けた栄一にあやかり、自分も新たな1年をエネルギッシュに過ごしてみたいものだ。

 渋沢史料館で『渋沢栄一と帝国ホテル』という本(企画展資料)を買ってみたのだが、大正13年(1924)に栄一が飛鳥山の自邸に米国大使夫妻を招いた午餐会を紹介する頁があって、掲載されていた出席者23名の座席表に、金子堅太郎団琢磨の名を見つけた。両人とも政財界の重鎮。さもありなん話ではあるが、ここにも渋沢栄一と黒田武士のつながりがあったかと気付かされた。ちなみに当日のメニューは、メロンフラッペー、鶏クリームスープ、車海老、トルネド(ビフテキと添え書き)、フルーツサラダ、アイスクリーム、果物、コーヒーで、帝国ホテルから取り寄せたそうだ。交際範囲の広さを考えれば、金子、団、藤井のみならず、黒田武士とのご縁は他にもあるのではなかろうかと、更なる興味が湧いてくる。自分の栄一ブームは当分続きそうだ。

 

 

f:id:kan-emon1575:20210820111204j:plain渋沢史料館には『徳川慶喜公伝』(右手の箱に入ったもの)や『昔夢会筆記』(その左隣り)の原刻本も展示。慶喜の青春の記録とも言えそうだ。